上から下に力を伝える
工場で使われるマシーンにとってもパワーがあることは、何のためにそこで稼動しているかを考えればとっても納得できますし、現場で操作をしていない人でも「ボクよりもタフで素直に命令を聞いて社会貢献しているんだろうな、超人並の圧倒的な力で」と考えているでしょう。 そんな工場の設備の中でもひときわ優秀な機械に油圧プレスがあります。 工場勤務ではなく事務仕事をしていたり、コンビニやスーパーのレジを受け持つ人、スポーツクラブのインストラクター、歯科医師や歯科助手、植木職人や税理士、ピアノの先生やカメラマン、鉄道会社に勤務しているけどメンテナンスではなく切符の販売に携わっている人、寿司屋の板前さんなんかは聞いたことも触れたこともなさそうな油圧プレスですが、おおまかな仕組みは油圧ポンプを回転させそこから出てきたオイルを上手に操り、油圧モーターや油圧シリンダを駆動させる形になり、これは自動車関連の工場に勤めていたりと特殊なプレス機が間近にあるような人でなければ理解しがたい構造になっております。 どんなに車好きでも自分で車体を自作することはありませんし、例え注文住宅で広いガレージを設けていようが自宅にこの設備を設置しているカーマニアはいませんし、油圧プレスを知る人間の大部分は製造業に携わる関係者だけでしょう。 それも大きな力を必要とする分野に限られますので、腕時計や掛け時計、置時計のような精密機器、カメラのレンズや記念撮影用された写真を収めるアルバムを製造している工場、ぬいぐるみやフィギュアなど子供向けのおもちゃ工場や工房、ちびっこが大好きなわたがしや練り飴工場ではそう使用されておらず、自動車や鉄道、飛行機や船舶の製造工場の方が多く稼動しているので、そうした方面で働く方でなければなじみも薄く構造にもあまり興味を示さないかもしれません。 それでも説明を続けますが、こうした油圧のパワーを動力にするマシーンは専門家の間では油圧装置と名付けられており、大迫力な風貌とそれに見合う能力を持つので世界中のファクトリーで大活躍をしています。 「そんな言い方では大袈裟すぎないか、ほんとに世界中の国で使われているの?」と疑う方に解説しますが、油圧のパワーはとんでもなく人類に貢献しており、様々な分野で毎週どころか毎日のように利用されているのです。 建設業ではパワーショベルやトラッククレーン、ダンプカーやコンクリートミキサーにも採用されておりますし、ブルドーザやフォークリフトも油圧の力に助けられて業務を遂行しています。 造船業でも操舵機やウインチに油圧は欠かせません。 工作機械ではボール盤やフライス盤に、製本に使われる裁断機や輪転機にもこの力が最近では多く使われているようですし、自分が知らないだけで多くの製品が油圧の恩恵を受けて世に送り出されているのです。 もちろん各種プレス機でもそうですし、金属機械鋳造機や発泡成形機などの機械にも油圧式が多数取り入れられています。 このように大きな力を必要とする幅広い業種で引っ張りだこなのですが、それがどんなマシーンなのかはおろか存在すら知らない方がほとんどなのは、専門的な機械なため家庭で使われたりオフィスの必需品とされることがほとんどないからです。 でも現代の製造業に役立っているということはほぼ全人類が関わっているとも言えますし、もっと注目されて賞賛を浴びたり話題になってもいいと思うのです。 なのでこのサイトでは油圧プレスについていろいろとお話をしようと思いますので、今まで全くこのマシーンに興味がなかった人、名前すら知らなかった人、メカ好きだからちょっとは気になっていた人などはぜひお読みになって下さい。 またまだ学生さんでこれから就職活動をする、もしくはアルバイトでコンビニやキャバクラの面接を受ける予定の方が、このマシーンの魅力に取り付かれて工場で働いてみたくなる、そう思ってくれたりその手助けになれば幸いです。